ひとくち健康講座

近視の話

2023年8月

 現代病として近視が増え続けています。実はこの近視が、緑内障や黄斑変性症、網膜剥離などの眼病と深く関わっていることをご存知でしょうか。近視の眼球は、正常と比べて伸展変形するため、眼球内の網膜や神経線維が薄くなり、眼病になりやすいのです。
 近視は成長期に進み、いったん進行すると治らないため幼少期から注意する必要があります。日常生活で心がけることとして、近くを見る作業は目に負担が大きいため、30cm以上離れ、時々休憩し遠くを見る。スマホなどの小さな画面は近くに寄って見てしまうため、タブレットやパソコン、テレビなどのなるべく大きな画面で遠くから見る。また、日中に1日2時間以上屋外で過ごすことも大切です。他にも医療的な取り組みとして点眼薬、特殊なコンタクトレンズやメガネによる近視進行予防法などもあります。
 人生100年時代。生涯「見える生活」を送るために子どもは近視予防、すでに近視が進んだ方は、眼病の早期発見のために目の健康診断を受けましょう。

高橋眼科クリニック  高橋 篤子