ひとくち健康講座

Hib(ヒブ)ワクチンの話

2007年10月

 インフルエンザ菌という病原菌があります。(インフルエンザウイルスとはまったく別のものです。)ヘモフィルス・インフルエンザともいいます。中でもb型は病原性が強く、これをHibと呼びます。中耳炎、肺炎、髄膜炎などを引起こします。注目すべきは、細菌性髄膜炎の原因菌として第一位であることです。また、細菌性髄膜炎は重症化すると、後遺症出たり、亡くなったりする重大な病気です。
 Hibワクチンは世界九十カ国以上で定期接種が行われていて、効果も明らかです。それらの国ではインフルエンザ菌性髄膜炎はとても減ったのです。しかし、日本はHibワクチンの導入が遅れています。今年一月に薬として承認されましたが、まだ、発売に至っていません。Hibワクチンが細菌性髄膜炎を予防する点にぜひ注目してください。今後、定期予防接種化の道が開かれることを期待しています。

ひがしたに小児科   東谷 暁子